Twitterが凍結されたのでWildebeestでFediverseに移住した
まだTwitterで消耗しているの?
遡ること2023年4月末。世間が数年ぶりの我慢のいらないGWを満喫しようと熱気を帯びている時期に、凍てつくような出来事が起きた。 いつも通り深夜までTwitterをして寝て起き、手ぐせのようにTwitterを開くと見慣れないダイアログが表示された。
「ご利用のアカウントは永久凍結されています」
状況を飲み込むのに2秒もかからなかった。ああ、ついにきたかと。 イーロン・マスク体制になっていつか訪れると思っていた終わりがやってきたことを理解した。
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永久凍結、そしてアカウント消失
凍結されると「異議申し立て」として異論を唱える機会が訪れるのだが、フォームより何度再審査リクエストを送っても連絡は来なかった。 毎日フォームを埋めて送ってみたり日本語・英語・中国語のバリエーションを用意したり。それでも自動応答のメールすら来やしない。
ところがある日、一通のメールがTwitterから届く。
謎の二要素認証をオフにしたという通知。そんな操作は一切行っていないのでどういうことかとTwitterアプリを開くと「ログインしてください」と表示された。 ログインしようにも@mzyy94のアカウントが見つかりませんとの表示が出て先に進めない。 どうやら@mzyy94のアカウントがTwitterの社員によって削除されたようだ。
通常は凍結されているアカウントの削除はできないのがTwitterの仕様だ。しかしTwitter内部の犯行であればその限りではない。 Twitter社の内部には管理画面にアクセスできる不届きものが凍結操作をして私欲を満たしているという噂があるが、そのような者が行なった可能性が考えられる。
新しい居場所を求めて
かくしてTwitterのアカウントが凍結され消滅した。 特にサブ垢があるわけではないので、居場所をTwitterから完全に失った形となる。 凍結直後はJALのセールで買っていた航空券で九州から北海道まで飛び回る予定があったため、しばらくSNSの中心はSwarmに移動した。 旅先でTwitterのオタクにおすすめしてもらったお店に行こうとするが、凍結されるとブックマークが全て削除されてしまうため、ツイート検索で探し出す必要があった。 その点を除いてはTwitterがなくてもSwarmで十分だと感じていた。
mzyy94,swarmでTwitterしてる
— かとう (@katoharu432) May 28, 2023
しかしSwarmは位置情報連動型SNSのため、自宅や仕事中に延々と脳と直結して感情を垂れ流す用途には当然向かない。 駄文を安定して自由気ままに垂れ流してもアカウントが消えない、そんな実家のような安心感のある地を凍結中に探し回っていた。
Mastodon
Twitterの代替として数年前から賑わいを見せ何人かのオタクが移住していったSNS。 Twitterのような肥溜めとしての性質も併せ持つため、実家に近い安心感はある。 しかしmstdn.jp/pawoo.net/friends.nicoなど多くのインスタンスが存在し、それぞれが多かれ少なかれコミュニティのようなものを形成している。 加えて運営する企業の気分によってサービス終了したり事業譲渡されたりと不安定な状況が散見される。 自分でインスタンスを立てるのもアリだが、肥溜めのためにサーバー管理をしたくない。
ほぼ全世界でTwitterが使われているが、中国はそうではない。そこには独自のSNSとしてWeibo(微博)が存在する。 Twitterはイーロン・マスクのような狂った人間に管理されているが、Weiboは同様の狂気を持つ国家が管理しているようなものだ。 感性が壊れた今となっては、一個人の暴走によって壊れるTwitterと違ってWeiboの方が安定性は良いように感じられる。 検閲や各種規制に屈する必要はあるが、マイクロブログサービスとしての地盤は固く楽しめる余地は大いにありそうだ。
少し利用をしてみたが、構築する関係性によっては求めるような居場所を作れそうな気がした。 ただ、中国語を学び日常的に使えるようになる必要があるのと、文化の違いを強く意識する必要があるのを解消できる目処が立たなかった。
Twitterの崩壊とポストTwitter
6月末から7月頭にかけて、皆がTwitterが壊れていく中で慌てふためいているのを目にするようになった。別れのシーズンの到来だ。 とっくにTwitterから卒業している身としては、やっと時代が追いついてきたかという感想だ。
このタイミングで移住先を検討し始める輩が増えてきたが、そこで挙がるのがポストTwitter。 どれも前々からみたり触れたりしてきたが、正直どこも今の壊れたTwitterにすら到底及ばない代物としか感じなかった。
Bluesky
TwitterのCEOを降りイーロン・マスクに明け渡す結果となり、Twitterを崩壊に導いた元凶たるジャック・ドーシーが関与している新興SNS。 完成度が低すぎる上に改善傾向も見られず、日常遣いに耐える気がしない。 数年前に新興SNS Clubhouseが登場して盛り上がっていた「にわか」たちの餌食になっているようにも見え、数ヶ月もしないうちにまたどこかに消えて誰も使わなくなるんだろうと予想している。
Threads by Instagram
10年以上前に当時は革新的な画像投稿の場として使っていたInstagram。画像投稿もままならなかったTwitterを補う形で、500pxなどと一緒に画像投稿SNSを楽しんでいた。 そんなInstagramを買収してFacebookのエゴをふんだんに詰め込んだマーク・ザッカーバーグが大嫌いだ。 HTCのViveと並んでVR元年を盛り上げてきたOculus。そのOculusを買収してわけわからんメタバース(笑)をぶっ込んで陽キャとWeb3詐欺師の溜まり場にしたマーク・ザッカーバーグが大嫌いだ。 そんなマーク・ザッカーバーグが手がけるSNSに近寄ろうもんなら全身に蕁麻疹が出るため、身体的に拒絶しThreadsを利用することはないだろう。
Misskey
隙あらば現金をレターパックで送れと言い続ける、馬鹿の一つ覚えのような中学生男子的な与謝野晶子が大量に居るのが特徴。 そのノリが精神的に無理なのでMisskeyでアカウントを作るようなことはないが、Fediverseの仕組みを多くの人に広めた功績は誉めに値する。
結局居場所は見つからず
色々と探し回ってみたが結局はどこも安定性に欠けるか精神的・身体的に無理があるところしかなかった。 幸いにもTwitter崩壊のおかげで、MisskeyなどのFediverse対応のSNSを利用するオタクが増えてきた。 実家がなければ自分で作ればいいじゃないの精神で、できるだけ楽にFediverseインスタンスを立てる方向にシフトすることにした。
Cloudflare Wildebeest
Mastodonは周りのオタクが維持管理しているのを見て、面倒そうなので手を出したくない気持ちでいっぱいだ。Ruby on Railsで書かれてるし。 何か簡単にインスタンスを立てられるものがないか。そんなところにCloudflareのWildebeestの存在を知る。
Welcome to Wildebeest: the Fediverse on Cloudflare
Fediverseに対応したマイクロブログサービスをCloudflareの機能によってサーバーレスで実現するものだ。 デプロイ手順はボタンを押すだけの簡単仕様で、TypeScriptで書かれているのがとても気に入った。
このブログを始めとするドメイン管理やDNS設定、amzn.mzyy94.comのようなページルールなどでCloudflareは普段使いしているため、利用開始のハードルも低い。 利用にあたって幾つかCloudflareの機能を有料契約する必要があるが、その分Cloudflareの機能に多くを任せられるので、ほとんどの管理が不要になる。
Twitterアカウントが削除されたタイミングで導入に踏み切り少しデモ運用してみたが、Twitter代替とまではいかなくとも居場所としては要件を満たすものだと感じた。 簡単すぎるので導入手順はここでは紹介しないが、日本語では以下の記事が参考になる(少し古いので手順がやや違う)。
CloudflareのMastodon互換ソフトウェア「Wildebeest」を立ててみたメモ - Lambdaカクテル
月額料金はCloudflare Workersに$5、Cloudflare Imagesに$5の計$10。今の為替レートで1,500円ほどだ。 Twitter Blueに月1,380円払うくらいなら、Cloudflareの多くの機能が使えるようになるのでこちらの方がお得感満載だ。
ということで、WildebeestでFediverseに参入した。 ここをキャンプ地とする。
まとめ
2009年からTwitterをやってきて14年になる。ポップで可愛い書体でTwitterのロゴが描かれていたあの頃が懐かしい。 陰謀論者も詐欺師も見当たらない平和な世界で、「〜〜なう」とただつぶやく単純なマイクロブログサービスだった。 当時はTwitterのID変更回数に上限があったため、@mzyy94にID変更するにあたってアカウントを新たに作っていた。 その時の変更前のアカウントを発掘し、ただ家に帰ってきて「帰宅なう」と呟いていたのを見て涙している。
帰宅なう
— まだツイッターで消耗してるの??? (@mzyy94_) October 22, 2009
今のTwitterには本当にゴミしか居ない。パクツイは日常風景でスパムは人間の数を上回る。 こんな生ゴミたちと過ごしていたTwitterから離れられて今は心がスッキリする想いだ。 ありがとうイーロン・マスク。